子育てをしていると「自分の時間がない」と感じるのは自然なこと

朝は子どもの支度から始まり、保育園や幼稚園への送迎、仕事、家事、夕食の準備、お風呂、寝かしつけまで、一日中やることが続きます。さらに、子どもの体調不良や行事、習い事の送迎などが重なると、自分だけの時間を確保することは難しくなります。
「毎日があっという間に終わる」「気づけば自分のことは後回しになっている」と感じる親も少なくありません。こうした毎日が続くと、親自身が心の余裕を失い、子育てを楽しむことが難しくなる場合もあります。子どものためにも、まずは親が心身ともに元気でいることが大切です。
なぜ親は時間や心の余裕がなくなってしまうの?

子ども中心の生活になるから
幼児の生活リズムは、大人とは大きく異なります。
食事や着替え、遊び、トイレ、お昼寝など、子どものペースに合わせて生活していると、自分の予定は後回しになりがちです。
特に「あと5分で出発したいのに着替えてくれない」「食事がなかなか進まない」といった毎日の小さな出来事が積み重なることで、時間にも心にも余裕がなくなっていきます。
家事・仕事・育児を同時にこなしている
共働き家庭が増えた現在では、仕事をしながら家事や子育ても担う家庭が多くあります。
仕事が終われば休めるわけではなく、帰宅後には夕食作りや洗濯、お風呂、寝かしつけが待っています。
「自分の時間は子どもが寝てから」と思っていても、その頃には疲れて何もできず、そのまま寝てしまうという経験をしたことがある人も多いでしょう。
「ちゃんとやらなければ」という思いが強い
真面目で責任感のある親ほど、「もっと栄養バランスの良い食事を作らなければ」「毎日絵本を読まなければ」「習い事もさせたほうがいいのでは」と、自分に高いハードルを課してしまうことがあります。
もちろん、子どもの成長を願う気持ちはとても大切です。
しかし、完璧を目指し続けると、自分自身を追い込んでしまう原因にもなります。
親に心の余裕がなくなると起こりやすいこと

子どもにイライラしやすくなる
疲れやストレスがたまると、普段なら気にならないことでもイライラしてしまいます。
何度言っても片付けない、着替えない、兄弟げんかをするなど、子どもにはよくある行動でも、心に余裕がないと強く叱ってしまうことがあります。
あとから「言い過ぎてしまった」と落ち込む親も少なくありません。
自分を責めてしまう
SNSや周囲の家庭を見ると、「みんな上手に子育てしているように見える」と感じることがあります。
その結果、「私はちゃんとできていない」「もっと頑張らなければ」と、自分を責めてしまうケースもあります。
しかし、SNSでは楽しい場面が中心に発信されることが多く、実際には誰もが子育ての悩みを抱えています。
比べすぎないことも大切です。
家族との会話が減る
心に余裕がなくなると、パートナーとの会話も業務連絡のようになってしまうことがあります。
「今日のお迎えお願い」「〇〇買ってきて」など、必要最低限のやり取りだけになってしまうと、お互いの気持ちを共有する機会も減ってしまいます。
家族で支え合うためにも、小さなことでも感謝やねぎらいの言葉を伝えることが大切です。
子育て中でも時間と心の余裕をつくる工夫

「全部やる」をやめてみる
毎日の家事を100点でこなそうとすると、それだけで疲れてしまいます。
・掃除機は毎日かけなくてもよい日をつくる
・冷凍食品やミールキットを活用する
・洗濯物はたたまず収納する日があってもよい
このように「今日はここまで」と決めるだけでも、気持ちはぐっと楽になります。
一人時間を予定に入れる
「時間ができたら休もう」と思っていると、なかなか休めません。
そのため、30分でも1時間でも、自分の時間を予定として確保することがおすすめです。
好きなドラマを見る、本を読む、カフェに行く、散歩をするなど、短時間でも気分転換になります。
親がリフレッシュすることは、決してわがままではありません。
習い事は家庭に合った数を選ぶ
子どもの成長を考えると、英語やスイミング、体操などの習い事が気になる家庭も多いでしょう。
しかし、習い事が増えると送迎や準備など、親の負担も増えます。
「みんなが通っているから」という理由ではなく、
- 子どもが楽しんでいるか
- 家族の生活リズムに合っているか
- 親の負担が大きすぎないか
という視点で考えることが大切です。
習い事は数よりも、子どもが無理なく続けられることが何より重要です。
周囲に頼ることをためらわない
祖父母やパートナー、地域の子育て支援、一時保育など、利用できるサービスがあれば積極的に活用しましょう。
「迷惑をかけてしまう」と遠慮する親もいますが、一人で抱え込み続けるほうが心身への負担は大きくなります。
困ったときに助けを求めることも、子育てを続けていくための大切な力です。
完璧な親を目指さない
子どもにとって必要なのは、完璧な親ではありません。
笑顔で話を聞いてくれたり、一緒に遊んでくれたり、安心して甘えられる存在であることのほうが大切です。
毎日100点を目指すのではなく、「今日は60点でも十分」と考える日があってもよいでしょう。
少し肩の力を抜くだけで、親も子どもも過ごしやすくなります。
心に余裕ができると子育ても少し楽になる

親の心に余裕があると、子どもの「やってみたい」という気持ちをゆっくり見守れたり、一緒に笑い合える時間が増えたりします。
また、子どもは親の表情や気持ちを敏感に感じ取っています。親が穏やかに過ごせる時間が増えることは、子どもの安心感にもつながります。
もちろん、毎日余裕を持って過ごすことは簡単ではありません。
忙しい日があって当然ですし、イライラしてしまう日もあります。
そんなときは、「今日はよく頑張った」と自分自身を認めてあげてください。
まとめ

幼児の子育てでは、親自身の時間や心の余裕が持てないと感じることは珍しくありません。家事や仕事、育児に加えて、習い事の送迎や家庭の予定が重なると、自分のための時間はどうしても少なくなります。
しかし、親が無理を続けてしまうと、心身の疲れが積み重なり、子育ての悩みも大きくなりやすくなります。
だからこそ、家事を少し手放したり、周囲を頼ったり、自分だけの時間を意識してつくったりすることが大切です。
親が笑顔でいられることは、子どもにとって何よりの安心につながります。
毎日完璧を目指す必要はありません。「今日も一日よく頑張った」と、自分をいたわる時間を少しずつ増やしていきましょう。

