保育園や幼稚園、小学校に通い始めると、子どもはさまざまなウイルスや細菌に触れる機会が増えます。そのため、風邪をひくこと自体は決して珍しいことではありません。
しかし、生活習慣を見直すことで、体調を整えやすい環境を作ることはできます。
子どもが風邪をひきやすいのはなぜ?

免疫機能がまだ発達途中だから
子どもが風邪をひきやすい大きな理由のひとつが、免疫機能がまだ十分に発達していないことです。
大人はこれまでに多くのウイルスに触れてきた経験がありますが、子どもにとっては初めて出会うウイルスも少なくありません。
そのため、保育園や幼稚園に通い始めた頃は、何度も風邪をひくことがあります。
これは体が少しずつ免疫を身につけている過程でもあるため、過度に心配しすぎる必要はありません。
集団生活で感染しやすい環境にいる
保育園や幼稚園、学校では、多くの子どもたちが一緒に生活しています。
おもちゃや机、ドアノブなどを共有する機会も多く、どうしても感染症が広がりやすい環境になります。
とくに冬場だけでなく、新年度が始まる春や、気温差の大きい季節の変わり目にも体調を崩しやすくなります。
生活リズムの乱れ
睡眠不足や食事の偏り、疲れの蓄積も、風邪をひきやすい原因のひとつです。
子どもの体は成長途中のため、大人以上に生活習慣の影響を受けやすいといわれています。
子どもが特にかかりやすい代表的な感染症

インフルエンザ
インフルエンザは、突然の発熱に加えて、頭痛、咳、喉の痛み、鼻水、全身のだるさなどが現れやすい感染症です。子どもがかかった場合は、症状の変化に注意しながら安静に過ごすことが大切です。
感染性胃腸炎(ロタウイルス・ノロウイルス)
感染性胃腸炎は、ウイルスによっておう吐や下痢、発熱、腹痛などが起こる病気です。ロタウイルスでは水のような下痢やおう吐がみられ、乳児ではまれにけいれんを起こすこともあります。ノロウイルスは、吐き気やおう吐、下痢が急に出やすいのが特徴です。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは、急な発熱と喉の奥にできる水疱が特徴です。高熱や喉の痛みによって食事や水分を取りにくくなることがあり、子どもの脱水症状には注意が必要です。
RSウイルス感染症
RSウイルス感染症は、咳や鼻水など風邪に似た症状から始まる呼吸器の感染症です。特に1歳未満の赤ちゃんは重症化しやすく、細気管支炎や肺炎につながることがあるため注意が必要です。
手足口病
手足口病は、口の中や手のひら、足の甲・足裏などに小さな水ぶくれのような発疹が出る感染症です。子どもに多くみられ、発熱を伴うこともありますが、比較的高熱になりにくいとされています。
咽頭結膜熱(プール熱)
咽頭結膜熱は、発熱、喉の痛み、目の充血や結膜炎が主な症状です。プール熱とも呼ばれ、子どもの夏風邪として知られています。リンパ節の腫れ、腹痛、下痢などを伴うこともあります。
風邪をひきやすい子に見られる生活習慣

寝る時間が遅い
夜更かしが続くと、体を回復させる時間が不足してしまいます。
とくに成長ホルモンが多く分泌される睡眠時間は、体の健康維持にも大切です。
朝なかなか起きられない、日中ぼんやりしているといった様子が見られる場合は、睡眠時間を見直してみるとよいでしょう。
朝食を食べない
朝食は、眠っていた体と脳を目覚めさせる大切なエネルギー源です。
朝食を抜くと体温が上がりにくくなり、午前中の活動にも影響することがあります。
忙しい朝でも、バナナやヨーグルト、おにぎりなど、簡単に食べられるものを取り入れてみましょう。
運動不足
体を動かす機会が少ないと、体力や持久力が育ちにくくなることがあります。
適度な運動は、体力づくりだけでなく、睡眠の質を高めることにもつながります。
風邪をひきやすい子の生活習慣改善法

早寝・早起きを意識する
生活習慣を改善するうえで、まず見直したいのが睡眠です。
理想は毎日できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きることです。
休日だけ大幅に寝坊すると体内リズムが乱れやすくなるため、平日との差はできるだけ少なくするとよいでしょう。
寝る前はテレビやスマートフォンの使用を控え、ゆったり過ごす時間を作るのもおすすめです。
バランスのよい食事を心がける
子どもの体を作るためには、さまざまな栄養素が必要です。
特定の食品だけで風邪を予防できるわけではありませんが、主食・主菜・副菜を意識した食事は体調管理に役立ちます。
野菜が苦手な場合は、スープやカレーに入れるなど、無理なく取り入れられる方法を試してみましょう。
朝食を習慣化する
朝食を食べる習慣は、生活リズムを整えることにもつながります。
忙しい日は完璧を目指さなくても大丈夫です。
おにぎりやチーズ、果物など、手軽に食べられるものを準備しておくだけでも朝食習慣を続けやすくなります。
適度に体を動かす
毎日激しい運動をする必要はありません。
公園で遊ぶ、散歩をする、外遊びを楽しむなど、日常の中で体を動かす時間を増やしてみましょう。
体を動かすことで食欲や睡眠にもよい影響が期待できます。
手洗いを習慣にする
感染症対策として欠かせないのが手洗いです。
外から帰ったとき、食事の前、トイレの後など、生活の中で自然に手洗いができる習慣を身につけていきましょう。
歌を歌いながら洗うなど、楽しく続けられる工夫もおすすめです。
季節の変わり目は特に注意

子どもが風邪をひきやすい原因として、気温差も関係しています。
朝晩と日中の寒暖差が大きい季節は、体温調節がうまくいかず体調を崩しやすくなります。
脱ぎ着しやすい服装を選び、汗をかいたら早めに着替えられるよう準備しておくと安心です。
また、空気が乾燥する季節は、室内の湿度にも気を配るとよいでしょう。
保護者が気をつけたいこと

「また風邪をひいた」と責めない
子どもが何度も風邪をひくと、つい心配になってしまいます。
しかし、子どもは成長の過程でさまざまなウイルスに触れながら免疫をつけていきます。
「また風邪をひいた」ではなく、
「早く元気になるといいね」
「ゆっくり休もうね」
と安心できる声かけを心がけましょう。
完璧を目指さない
生活習慣の改善は、一度にすべて行う必要はありません。
睡眠時間を少し早める、朝食を食べる習慣をつけるなど、小さなことから始めることが大切です。
無理なく続けられる方法を見つけることが、長続きのポイントです。
まとめ|生活習慣の改善で体調を整えよう

子どもが風邪をひきやすい理由には、免疫機能の発達途中であることや、集団生活による感染リスク、生活習慣の乱れなどがあります。
すぐに風邪をひかなくなるわけではありませんが、睡眠や食事、運動などの生活習慣を整えることで、体調管理の土台づくりにつながります。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、家族が無理なく続けられる習慣を少しずつ増やしていくことです。
毎日の生活習慣を見直しながら、子どもが元気に過ごせる環境づくりを進めていきましょう。

